シャーロック・ホームズ:罪と罰 Part37

ウィギンスが警官にいじめられるの巻



今回、私がどうしてもわからなかったことがあります。
それは、第三の男はどうやってレイトンの目を眩ませたのか?ということ
そこの説明やヒントが全くありません。

照明弾を使ったのか?
偶然、月明かりが鏡に反射したのか?
わかる人がいたら教えて下さい…

次回はいよいよ謎の男とご対面です。
最終回も近いですね…
今回はシャーロック・ホームズが生まれた背景について語ります。

シャーロック・ホームズの生みの親であるアーサー・コナン・ドイルの祖父ジョン・ドイルは、当時の英国でかなり有名な挿絵画家だったことをご存じですか?
彼はアイルランド人で、ノルマン貴族の末裔でしたが、エリザベス一世のカトリック弾圧によってロンドンに亡命しました。
新天地ロンドンで無一文からスタートして、政治風刺漫画や妖精物語の挿絵画家として大成し、7人の子供をもうけます。
しかしコナン・ドイルの父親チャールズだけはパッとせず、スコットランドで土木技師として不遇の人生を送りました。

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ジョン・ドイルの風刺漫画

偉かったのはコナン・ドイルの母親メアリーで、熱烈なカトリック信者として息子に騎士道精神を叩き込み、これがホームズやワトソンの正義感あるキャラクターの源泉になっていると思われます。

プロテスタントの国イギリスでは少数派である、カトリックのイエズス会の寄宿舎に送られた少年時代のコナン・ドイルは、当時の常であった鞭を用いた猛烈なスパルタ教育を受けました。
ここで相当な反骨精神が養われ、ホームズの傲岸不遜な性格に反映されています。
神も信じてなかったっぽい(後にオカルトに大ハマりするくせに)。

20代のドイルは身長180cm以上、体重100kg強と、恵まれた体格の大男で、スポーツ万能、クリケットは達人級で、ボクシングにおいては十年以上もヘビー級チャンピオンの座を譲らなかったほど。
ホームズは身長183cm、体重65kgと痩せてこそいますが運動神経抜群で、ボクシングの達人というのもドイルと共通してます。

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アーサー・コナン・ドイルの勇姿。確かにこれはデカそう

その後、貧困家庭のハンデを乗り越え、エジンバラ大学の医学部を卒業したドイルは、船医としてアフリカに行ったり、今で言うインターンをしながら、開業資金を貯めます。
この頃から小遣い稼ぎのために、小説を書いて出版社に送り始めます。

ポーツマスのサウスシーという、知り合いもいない新しい土地で、内科医として開業したドイル医院を訪ねる患者もなく、暇な日々が続きます。
彼はあまりに暇なので、試みに全く新しいタイプの探偵小説を書き始めます。
これが「シャーロック・ホームズ」でした。

シリーズ一作目「緋色の研究」は、始めの頃こそ出版社に見向きもされなかったとはいえ、大成功するまで長くはかかりませんでした。
30代前半で英国一のベストセラー作家の仲間入りをします。
本人としては、本当に書きたかったのは騎士道物語で、ホームズ人気は不本意だったようです。

実際、ドイル作「失われた世界」は面白いですよ。
南米のアマゾンに恐竜が生き残っていた、というSF小説ですね。
チャレンジャー教授のアグレッシブなキャラクターもよかった。

その後、ドイルは徐々にホームズ人気が腹に据えかね、ついにモリアーティ教授との一騎打ちでホームズをライヘンバッハの滝壺に叩き落としてしまいます。
これには母メアリーを含む熱烈なホームズファンから総スカンを食らいます。
出版社には抗議が殺到し、シティ・オブ・ロンドンは喪章を着けた人々で溢れたそうな。
現代の熱狂的なオタクと変わりませんね。

あまりの抗議の多さに驚いたドイルは、渋々ホームズを復活させます。
実はホームズは日本の古武術「バリツ」を修得していて、モリアーティだけを滝壺に落とし、ホームズは助かっていたのだ、という無理矢理な設定を用いて。

以上が、ドイルの半生の概略ですが、もう一つ、彼の異常なまでのオカルトへの傾倒も忘れてはいけません。
本気で妖精の存在を信じていた、妖精専門の挿絵画家だった祖父ジョンの血を、彼も引いていると言えます。
産業革命まっ盛りのヴィクトリア朝では、科学が大躍進すると共に、ちょっと異常なほど神秘学の人気が沸騰しています。
バカが騙されるのなら話は分かるんですが、ドイルのように学問のある人達も多く、いかさま師の餌食になっていました。

私が驚いたのは、フランスのキュリー夫妻も神秘学の熱心な信奉者だったことです。
2人ともノーベル賞を受賞していて、マリー・キュリーに至っては物理学と化学でダブル受賞してるほどの天才です。
頭の良い人間が宗教に足元を掬われるという事例はいつの時代にもあるようです。

ドイルの偉かったのは、自分のオカルト趣味をホームズには反映させなかったことですね。
完全なる科学の徒として、合理的な思考しか受け入れないというのがホームズのクールな所です。
ワトソンはチョロそうですがね(笑)

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